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斜めからみる報道の捉え方

斜めからみる【新型コロナ】 報道 の捉え方

今回は”斜めからみる【新型コロナ】 報道 の捉え方”ということで、タイトル打ちました。この記事では、テレビや週刊誌なんかで”報道”されている内容は、だいぶ偏った意見で編集・まとめられていて、視聴者がある一定の捉え方をしやすいように作られているのではないか?といった私個人の疑問・違和感からとある朝のニュース番組の報道を例にとってできるだけわかりやすく報道の本質を捉える方法を解説しています。ただ、事実をインプットするだけでなく、自身の意見を持ち、アウトプット出来るようにしてみませんか?

■平凡な 報道 番組

2020年7月31日とある朝のニュース番組でこのような報道がありました。

小池百合子東京都知事が『感染拡大特別警報』を発表

特筆する内容としては、「酒類を提供する飲食店は時短営業してね」、「客側もステッカーを掲示している店を使ってね」といった具合だ。また、「要請に応じた飲食店にはステッカーを掲げてれば20万円支給します」といった方針を示した。

そこまではいい。よくある報道だ。都政としても特別違和感は無い。良くも悪くも無難な報道だと思う。しかし、問題はその後の飲食店へのインタビューだ。

・飲食店へのインタビュー

その番組でインタビューを受けていた店主の言葉から私はテレビにベクトルが向かった。「20万円じゃ全然やっていけないよ。ハンパなんじゃないの?」といった趣旨の言葉を発し。続けざまに番組はその辺りの土地の賃貸料がどんなものか、飲食店の営業は赤字経営だという内容を紹介し、スタジオのメンバーが「飲食店は大変だ」「ステッカーのある店を選ぶなど個々人の意識で感染拡大を防止しましょう」といった形でその問題を締めくくった。

流し見していれば、特に問題のないごく普通の報道であったと思う。しかし、私は、この報道に違和感を覚えた。学生の頃からテレビなどのメディアの情報を素直にそのまま受け取るは危険(愚か)だと信じていたことと、社会学的なこともそろそろ書きたいと思っていたタイミングであったこと。ちょうどいいので、この報道番組を例にとってT-PON流「報道番組の見方」をご紹介します。

■報道の捉えかた

ここからの内容は私の個人的な思想推察感想であり、関係する組織や団体に特別批判をしたり、意見を押し付けるつもりはございません。しかし、受け取り方によっては不快な思いをする方もいるかと思います。その辺ご理解いただける方はお読みください。

・違和感について

①店主の「20万円じゃ全然やっていけないよ。ハンパなんじゃないの?」という言葉

この言葉を発するには当然、メディア側から何かしらの問いを投げられている。このときは「東京都がステッカーを貼っているお店に時短営業を呑めば20万円支給するらしいです。それについてどう思いますか?」といった趣旨の内容であった。

単に聞いてしまうと店主の言葉から推察し得られる情報は、「20万円支給されてもやりくりできない」「東京都は適当な政策出しているのではないか」と言っているように感じる。

私自身が中小企業の経営に携わっていることもあって、世の中には今回の【新型コロナウィルス感染拡大】の渦の中、経営難に陥っている企業や個人店は飲食関係以外にもたくさんあるのにもかかわらず、居酒屋やカラオケ店など酒類を提供する飲食系の客商売だけ優遇措置が行われるといった提案に対し、当の飲食店さんが「ありがたい」の一言もなしに「ハンパなんじゃないの?」とはいかがなものかと思ってしまう。

②スタジオの反応「飲食店は大変ですね」「ステッカーのある店を選ぶなど個々人の意識で感染拡大を防止しましょう」

こちらについては少々細かすぎるかも知れないが、「飲食店””大変」の””って何だろうと思う。私の感覚だと「○○””」と言う場合には3通りあって、ひとつは何かと比較している場合。例えば、【小売店に対して飲食店””大変】のような使い方。ふたつ目は、【世の中で飲食店だけ””大変】のように他を全て除外する場合。最後に【ほかのことは置いといてとにかく飲食店””大変】とつかう場合。

もちろんこの最後のパターンを使ったつもりでしょうが、飲食店””大変であるという趣旨のVTRが流れた後に「ほかのことは置いといてとにかく飲食店は大変ですね」「ステッカーのある店を選ぶなど個々人の意識で感染拡大を防止しましょう」なんとも意見のない言葉だなと呆れました。

しかし、それもこれも仕方ないことなのかなと思う。と同時に、単純にアナウンサーやキャスターが発した言葉をまっすぐインプットしている人が多いのかなと感じます。あえて嫌味な言い方をすれば自分の意見をどれだけの人が持っているのかと疑問に思うのです。

とはいえ、そもそも疑問を持たないことには意見も生まれないと思いますので、まずは疑問を持つ方法・着眼点を下で紹介していきます。

■疑問の持ち方・着眼点

・逆の視点で考えてみる

これは、必ずしも「対義語として完全一致する言葉を捜せ」ということではなく、”提示された報道”は”発信者の立場の言葉”として捉え、”異なる視点で言葉を考える”ということです。

これは、ニュースを考えるとき以外でも非常に効果的な方法ですので、是非マスターしてみるといいと思います。

”反対の言葉”や”別の視点”と言われると面倒な作業が入る気がしますが、実はとても簡単です。少し捻くれて聞いているだけで、多くの言葉が思いつきます。

この報道を使っていくつか例を出しましょう。

・「”酒類を提供する”飲食店は時短営業してね」→酒類を提供しない飲食店は時短営業しなくていいのかな?

・「客側もステッカーを掲示している店を使ってね」→ここまで要請しているステッカーを未だに掲示していない店ってどんな意識をもってるの?

・「要請に応じた飲食店にはステッカーを掲げてれば20万円支給します」→応じない飲食店にペナルティはあるのかな?

このように何にでも噛みつけとまでは思いませんが、反対の言葉を使った文を浮かべるだけで、細かな疑問を出すことができます。そこから疑問を調べて理解できた状態に持っていければパーフェクトです。

少なくとも私は、自分の意見という点でみれば、疑問を持っている時点で十分「私は◯◯が疑問だ」という意見がある人だと感じます。

・番組のメインターゲットを知る

報道・バラエティ・ドキュメントなどさまざまなカテゴリーを扱っているテレビ局ですが、日本では国民から視聴料をとる形で運営している放送局やスポンサーから制作費をもらって運営している局の2パターンがあります。

どちらも当然ビジネスで運営しているため、利益目的で映像を流しているという事実は否定しきれないでしょう。普段何気なく画面を付けていれば忘れがちですが、特に報道を見るときにはこの事実を意識すべきではないかと考えます。

例えば、私はスタジオから出た「飲食店は大変ですね」「ステッカーのある店を選ぶなど個々人の意識で感染拡大を防止しましょう」という言葉には意見が含まれず面白くないと思います。しかし多くの視聴者はスタジオの意見など求めていないのです。

・意見の必要性

意見を求めていないということを深堀すれば、平日の朝の時間、電車通勤の給与受給者や子供の送り出す前の主婦層をターゲットにしていると考えれば、うなずけます。

時間に追われる朝の時間、出勤前にさらっと前日あったニュースの概要を頭に入れておけば、万が一、職場や見送り時、その話題が出たときに世間知らずだと思われずにすみます。 ただし、「自分の意見を述べよ」なんて言われた日には大したこと言えない人がほとんどではないでしょうが。

しかし、多くの場合これで十分なのです。むしろ、短時間で多くのトピックを網羅するには、スタジオの意見など不必要なのかもしれません。

こういった具合に、スポンサーがいて、いわゆるCM広告を見てもらう以上はチャンネルを変えさせないためにただ情報を羅列するだけの意見を言わない番組は一定数需要があるので今後も朝の定番であり続けるだろうと考察できます。

・人に注目

次に、インタビューを受けた”店主”に着目したいと思います。話を聞きに行った側は飲食店(このときは居酒屋)の店主に話を聞きに行っていますが。いったいなぜ居酒屋の店主がよかったのでしょうか?

答えは簡単。多くの人に馴染がある。かつ、食べ物を売るという業態自体がわかりやすいということでしょう。基本的にビジネスとは人が物をつくり、物が金を生み、金で人を動かすといった【人・物・金】のサイクルで動いていきます。居酒屋経営は成人の方であればほぼその図式が頭に創造しやすくわかりやすいです。そんなことから選ばれやすいのだと思います。

余談ですが、夕方の主婦層をターゲットにした報道番組では、八百屋の店主がよく登場しますが同じ理由でしょう。

立場が変われば意見が変わります。例えば東京の旅行会社代理店の経営者に「東京都がステッカーを貼っているお店に時短営業を呑めば20万円支給するらしいです。それについてどう思いますか?」と聞いたらどうなるでしょうか。もちろんカメラの前で非人道的なことは言えないでしょうが、同じよう被害を受けているのに、飲食店ばかりズルい。時短営業でお金貰えるなら少額でも頂きたいと思うのではないかと思います。

■ポイント・まとめ

これまでグダグダと話をしてきましたが要点をまとめつつうまく記事に入れ込めなかったポイントを紹介しておわりにしたいと思います。

要点として下の3つにまとめます。

・違和感を見つけ問題定期すると自身の意見となる

・流れている話題は必ずしも大切な情報ではなく、ターゲットが気になりそうな話題

・人など対象が変われば意見が変わる

・ポイント

上の【流れている話題は必ずしも大切な情報ではなく、ターゲットが気になりそうな話題】に通じる内容になりますが、ターゲットを知る手がかりに番組の途中に入るコマーシャルを見るとわかりやすいと思います。

例えば、昼時を過ぎてから夕方にかけてのニュース番組の話題にしばしば”高齢層の万引き”について挙げられることがあります。よく使われるCMは入れ歯安定剤や歯磨き粉、膝間接にいいサプリメントなどがやたらと多くはないでしょうか?(朝の番組は栄養ドリンクが多いですよね。)

その時間に家でテレビ画面を眺めている視聴者はどのような人が多いのかわもうお分かりですね。また、映像構成を見れば「いい歳してけしからん」と高齢の視聴者に言わせたいような構成になっていることでしょう。

「けしからん」と言えればその番組の視聴者は満足なんですよ。この人より自分は全うだと思えれば、その報道は成功だったといえるのです。しかし、問題の本質はそこになく大事なのは【なぜ万引きを犯してしまったのか】【どうしたら再犯しないようにできるのか】こういった議論をしていくべきなのではないでしょうか。

少し話がそれてしまいました。そのうち【なぜ犯罪は起きるのか】について歴史心理学社会学などの見地から書きたいなと思っているので、そこでその辺の思考を紹介することにしましょう。

・まとめ

この記事では問題意識を持つこと、常識に囚われない視点で物事を捉えること、相手の意図を汲み取った上で自分に落としこむことなどを紹介してきました。これができれば自分の意見というものが持てるのではないかと思います。

他人の話を聞いていて退屈だと思うことも増えますが、アウトプットする能力が上がり、結果的に話上手になれることでしょう。よかったらマスターしてみてください。

大きく話が逸脱したところで、『斜めからみる報道の捉え方【感染拡大特別警報】【新型コロナ】』をおわりにしたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

■おわりに

私の大学時代は、社会科教員免許の取得のための勉強と社会学のゼミ長をしておりました。その頃学んだ価値概念が今の私に苦悩を与えている面も見られます。社会学というと最近は古市先生がよくメディアに出ていて、彼を見てもわかるように、ちょっと世間一般からするとズレていると思われそうな人が多い気がします。ただ、よく話を聞けば論理的に通らない話はしないんじゃないかな。これは社会学という学問の性質上の特徴ですね。

本気で社会について知りたい初心者の方向けにおススメの本をご紹介しておきます。

コロナ時代の経済危機: 世界恐慌、リーマン・ショック、歴史に学ぶ危機の乗り越え方 (ポプラ新書)

なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと

政治のことよくわからないまま社会人になった人へ【第4版】

言わずと知れた[池上彰]さんの著書はどれを読んでもわかりやすく、そのときどきの世界の仕組みが理解できるはずです。

権威と権力――いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書 青版 C-36)

こちらは対話形式で非常にわかりやすく、物事の捉え方を理解するにはうってつけの本です。大学時代教授に買わされた本です。

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